〜リベールをとりあえず考察してみようの巻〜

すわ魔獣だ、アーツ駆動!

 毎度おなじみいい加減思考、今回はアーツの話。
 とある竜箱を見ていたときふと思った。ザル乗りのスケベ中年は魔法使いというか、使える魔法的に賢者クラス(元になったゲームに則ると攻守共にカバーできる為)。で、もう一人超常的な力を使えるのは赤珠聖女さん。こっちは魔法の名前等はなく、なんかカンが鋭くなってきたり、キレて不完全な竜を召喚暴走させる。残りメンバーはまったく魔法の系統は使えず。すごいよね、勇者(魔法使用不可)、力持ち、戦士、魔法使い、聖女、モンスターの、物理偏重パーティー。いやそれは置いといて、赤珠聖女さんのほうならよくわかるのだが、「何か特別な力を持って生まれてきた」から超常現象を起こせる。これは作品中完全に一貫してて、ザル乗りスケベ中年の方も言明されてないけど、彼の魔法力は多分生来固有のもんだと思われる。ゲームを他の媒体に移すとき、困るのがこういう魔法やら呪文やらの扱いだと思います、というか私はいつも悩む。竜箱の元ゲームも、特に3だとシステム的に誰でも呪文が使えるという状態になって、突き詰めると無個性になる。ゲームはそれがやりこみになるがアニメや小説、漫画などの物語にするにはそれではつまらないことこの上ない。
 なんかいつものようにずれつつありますが、スケベ中年が魔法を使っているときアーツを思い出したわけです。アーツはこれとは根本的にあり方が違うなぁと。

 スケベ中年の場合、「天と地に遍く精霊たちよ云々」と詠唱から入り、力ある言葉を放つことで魔法を発動させます。詠唱が自分の精神集中なのか精霊召喚なのかはともかく、大魔法を放った後は極度の疲労に襲われてることから自分の力を変換して集中もしくは精霊召喚してるんだと思います。
 対してアーツの場合、ヒトの場合は戦術オーブメントなる機械が必要になります。それにクォーツを気に入ったように配置してアーツ発動をできるようにする。あの懐中時計のどこからアーツが出てくるのか画像を見てもよくわからんのがたまにキズですが、必要なクォーツにEPを送って発動させてるんだろうなとは思っております。とりあえず機械的に作動、本人の能力や遺伝等はまるで無関係っぽく見える。一応、各個人に調整はされているけれど、本人以外全く使えないという融通の利かないブツが最前線で使えるとは思えない。ゲーム上では無理ですが、例えばクローゼがEPまだ残ってるけど倒れて他に回復手段がないとき、誰かがクローゼの戦術オーブメントを使って下級アーツくらいは放てるくらいの融通はないとやってられん。使用される状況が状況だけにそういう想定もされてるはずだ(あくまで物語としてみる場合ですが)。……ので多少の互換性はあると思います。エステルやヨシュアたちはアーツが使えなくなっても決して疲れないし、戦えないということはない。
 その意味でいくと、エステルなんかは何がしかの特別な血筋なわけではなく(オヤジがひどいスペックだけど)、仕事が遊撃士だけど普通の人間なわけですね。ヨシュアやケビンはちょいとばかし普通とは言えんけど(特に後者)。ものすごーく乱暴に言ってしまえば、戦術オーブメントやそれと同等のものを持っている人間は誰でもアーツ、魔法を発動できることになるかと。

 あくまで戦術オーブメントを所持しているという人間に限ってになる話、じゃあどんな人間が持てるのか。  一番ヒトが多い3rdから考えると、遊撃士、軍人は確実に所持、おそらく全員標準装備。各個調整済み。王族、皇族も所持。護身の為という理由はある。続いて神父というか聖杯騎士団。正騎士も准騎士も含むこれ、遊撃士や軍人カテゴリと同等なイメージ。誰かに仕える集団の一人というイメージで。さて困るのがティータ、レン、ジョゼット、リシャール。
 彼ら全員、一応民間人の範疇になってるはずです。元貴族の前誘拐犯、元軍人、元結社メンバーとかですが……。さあ、以下ムリヤリ理由付け開始。
 ジョゼットはまあ元貴族で、オリビエやクローゼカテゴリに放り込んでもままいける気がします。相当無理に考える必要はありますが。兄貴たちが隠し持ってたとか。レンもいろいろ規格外だから、普通の一般人に当てはめようってのがそもそも間違いかも知れない。パテル=マテルなんぞ繰り出してくる幼女に常識はありはしない。
 ティータ。家族が家族だからなぁ。というか中央工房に携わる人間は最低限戦術オーブメントの調整はできる面々に思われます。ティータだったらパーツがあったら戦術オーブメントくらい組み上げそうな気がする。
 いろいろ理屈つけて自分を納得させてきましたが、ブーメラン装備の(大違)リシャールがわからん。彼ははっきりいって軍人崩れです。勤め上げてないから自分の中で軍人上がりではない。大きすぎる不祥事を起こして軍を辞めたというかやめさされたが正しく思われる人間。そんな人間に戦術オーブメントなんて、一つあったら状況ひっくり返せそうなものを渡すのか。むしろ、そういう兵器に近づかせないように必ず監視がついてしかるべきじゃないのか。なのに何故所持してるんだ。
 いろいろ考えて思ったのは、リシャールだけなんでか衣装が普通のシャツから軍装になっている。作中ではタマネギ所長の未練がどうのと言われているが、戦術オーブメントを所持してることも、これが適用できたりしないだろうか。というかそれしか理由が思いつかない。とはいえ、どちらかといえば刀で戦うことに意識を燃やしているように見えるタマネギ一号、戦術オーブメントにまで意識が回るもんなのか。これは、軍人には全員支給されてるだろうという点で解消されそうです。「戦術オーブメントも軍装の一つ」という解釈とか。とりあえず現実では持ってないかな。持ってないでしょう。いや持ってない。むしろ持つな、疑われる。で、もたせてて泳がせてるならリベール軍はトップから無能な無能集団だということを証明してると言い切りたい。さすがにそれはないと……思いたい。優しすぎる国だからな……。

 で、魔獣。彼らの中にもアーツを使ってくるのがいる。3rdだったら戦乙女三姉妹やらデカブツたち、他にもボイルデッカー系に色付きポムたち。彼らの場合はどうなのか。
 もとより機械系の魔獣ならあんまり違和感はない。フィリップさんと一緒に出てくる機械人形には難儀した。そうではない場合。魔獣がアーツを使ってくるときも、ヒトが繰り出すときと同様に時間差ができている。ヒトの場合は戦術オーブメントの操作をする時間で、下級アーツほど単純操作で発動、上級になってくれば煩雑な操作になると理解してて、駆動つけててもでかい一撃は遅くなるんだろうなと思います。駆動クォーツはきっとEP伝達率を上げるんだ。
 魔獣がアーツを放つにはどうしているのか。彼らの生態はほとんど作中で言及されて無いけれど、他の魔獣がアーツではないけどアーツと似たような効果の特殊技を放ってくることから、多分スケベ中年と同様なことになってるんじゃないでしょうか。魔獣がいちいち戦術オーブメントとか他に機械を操作しているとは思えない。人型は想像できるがボイルデッカーなんか単なるタマゴじゃないか。タマゴがどうやって操作するんだ……でもプラズマウェイブはなってくる奴もいる。観念動力でも使って戦術オーブメント操作してるのかもしれないけど、ソレって結局オーブメント補佐なしでアーツ発動してるのとほぼかわんない気がします。
 だんだんとっちらかってきた気がする。極端な話『アーツ=戦術オーブメントで起動する擬似魔法』と定義すると、魔獣が使ってくるのは正確にはアーツではなく、アーツと同様の効果をもたらす超能力で、ヒトたちは自分たちが見知っている「アーツ」であると便宜上呼んでいる……。擬似魔法ではなく本物の魔法って感じでしょうか。で、詠唱(意識集中や召喚)に時間がかかるから、魔獣がアーツを使うときはタイムラグを起こす、と。『アーツ=魔法のような力』としてしまうとなお一層冒頭のスケベ中年と同様になりますな。
 魔獣はタイムラグの無い技も使ってきますが、これは操作キャラ側も同様のクラフト扱いになるんでしょうねー。それに色々特殊効果がついているのもご同様。ヒト側は戦術オーブメントで状態異常の補正も可能。

 ツッコミ歓迎です。
2008.9.1

9/7追記
ユウ様ご指摘情報
・カーネリア内に「戦術オーブメント密輸記述」あり。汎用型の存在示唆
・所長が新型を持っているのは何故?

 カーネリア内に密輸記述。当然、そんな品がオーダーメイドなわけがないので、汎用品である可能性が多分にあるというご意見でした。確かに、オーダーメイドだったら特定の一人しか使用できません。でも密輸するということは、もとの使用者とは確実に違う人間が使用するということ。それなのに出来ないとなったら罪を犯してまですることじゃないですわ。
 加えて思うのは、きっとジンさんが持ってるようなラインが短くて何本もある奴が主に密輸対象になるんじゃないかなーとか。ラインが長ければ当然上位アーツを組める。イコール負担が大きくなるので戦術オーブメント自体の仕様かなりきっちり、要するにどんな事態にも壊れず暴走させずの高い技術が適用されるだろうし、調整にも手間が掛かるかと思われる。ゆえに、汎用品はまずラインの短いもので、かつ全スロットが属性完全固定のものが最低レベルで流出してそうです。属性変更ができるとなればそれだけ組み合わせが増え、不測の事態を招く組み合わせになってしまうから、汎用には向かないでしょうね。でもって正規に戦術オーブメント調整ができる人が必ずいるとは限らない。
 なんだかんだで短いラインでも属性固定スロットが二つしかないジンさんや少佐の戦術オーブメントは、それなりに個人用に調整されているってことでしょう。クローゼが一本ライン持ちとしてはちと落ちるんでしょうか。三箇所水属性固定。逆にレンが完全に縛りなし。こういう戦術オーブメントはありとあらゆる組み合わせと計算が完了しないと無理でしょうから、さすが結社製と言えるのかも。エステルが確か二本同じ長さのラインで無属性だから、それを作る技術はリベールに存在しているということになりますか。オリビエの戦術オーブメントがどこ製なのかよくわからないので、リベール技術が「一本ライン属性固定一箇所」を実用化できているのかは不明。

 次の、新型と旧型の話。綺麗サッパリ忘れておりましたw ゲーム的に言えば、それまでがんばって集めたクォーツが装飾品にしかならないということで、少なからずショックを受けておりました。
 旧型と新型の切り替えが、操作キャラにて成されたのがSC冒頭、クルツ先輩がこっちの方が最終的に強くなるよと甘い誘惑をしてきたときです。
「これを使えば複数混乱に陥れる技も使えるよ、あの少尉が使ってた奴(シルバーソーンのことだったと思われ)」
 あの少尉とは言わずと知れたロランス少尉。先に、軍人には全員戦術オーブメント支給されてるだろうと結論を出しているので、当然ロランス少尉の分もリベール軍配給品だったでしょう。ちなみにクルツ先輩の台詞を踏襲すると、シルバーソーンは新型であれば組めるアーツ。だいたいこういう兵器というものは軍にまず一番初めにおろされるもんです。なので、「一般遊撃士たちに降ろされる前にもうすでに軍が新型を使用していた」という可能性が出ました。これがそのとおりだとすれば、ゲーム中で新型戦術オーブメントの話が出る前にそういうことから退場したタマネギ一号が、3rdで未練の格好になった時携帯しているのが新型である理由になるかなーと。
 となれば今度困るのがジョゼットです。彼女こそ新型とは無縁、というか囚人。レンやティータは新型に触れる機会があるので、レンは最初から新型、ティータは途中で自分で乗り換えたと思えるんですが……。
 唯一ジョゼットと戦う機会であるFC第一章では、使用するアーツのレベルが低くて新型なのか旧型なのか定かではありません。が、山猫号を奪取するときには新型配列です。というわけで幾つかパターン分けをしてみませう。

 1)初戦時新型だった
 1’)初戦時旧型だった
     2)生誕祭武闘大会に出場時、特別付与された
     3)脱走・飛行艇奪還時にドサクサ紛れで奪ってきた
     4)リベル=アークに着くまでにどっかで調達

 こんな感じになりますかね。まず1。1は検証不能、以上証明終わり。……駄目? ここで既に新型であった場合、空賊家業中に何かの機会で、それこそ密輸品を手に入れることが出来たかもしれません。でもジョゼットの戦術オーブメント、二箇所属性固定はあるけどシェラ姉タイプでそれなりにアーツが組める。彼女用に調整されてると考えるのがいいかもしれません。そんじょそこらの密輸な汎用品にはなんとなく思えないのですが……これをクリアするには、キール兄が夜なべでちくちく(違)彼女用に調整ないしは闇ルートの改造屋にどうにかしてもらう、でしょうか。後者は馬鹿高い金額になりそうですね。汎用をジョゼット用に調整するにせよ、最初からジョゼット用の新型を作ってもらうにせよ。戦術オーブメントはその特性上、個人で気軽に買える額じゃないとは思うし。
 次。1’としておりますが、初戦時は旧型だった場合。新型に変更できるかも知れないタイミングが2、3になります。2は完全に検証不能。なにせエステルたちが戦ってないので……申し訳ないですが私はこの段階ではパスします。
 3であれば、どうにかこうにかして脱走を図る際、見張り兵から剥ぎ取ってきた可能性があります。ヨシュアがいつ殿タイミングで合流していたのか知りませんが彼の手はずもあったでしょう。これが一番手に入れやすいかなぁと思ったり思わなかったり。
 4は1の状況とほぼ同じでしょうか。非常にどうでもいいですが、新紀元社版SC攻略ガイド(初版)、ジョゼットの固定属性が空になっている……w

 さて……新旧問題のおかげでそれまでノーマークだった人間に疑惑が出ました。人騒がせな家出ボーイことヨシュア。お前は一体どこで新型を手に入れた? 飛行艇奪還時にはすでに新型です。でも彼こそ闇ルートには通じてるだろうし、軍の倉庫に入ってかっぱらうなんてお手の物でしょうし……。とりあえずは、分かれて行動し始めてからすぐに新型に変えたかと。情報収集のプロだから新型の話は知っていたと考えられます。あと大穴でパパが餞別に渡したとか。いやしかしパパそれはアカンやろ。


2008.9.10追記
  かとり様ご指摘情報
    ・ジョゼットたち脱獄時にはほぼ装備なし、ヨシュアの手引きで武器を手に入れたほうがやりやすいかも

 空賊砦で戦うとき、ジョゼットが自動戦闘になっているので残念なことこの上ないですが、導力銃は持っていてヨシュアのサポートをしてくれてます。でも銃だけなのでその時点では戦術オーブメントを持っていない可能性も濃厚。この状態は最後の最後、少佐戦まで続くわけで、そうなればドサクサでかっぱらってきたと考えるよりは、ヨシュアのルートがあるでしょうからそこからついでに引いてもらった方が良いかもしれないですね。とはいえ「闇ルートは非常に高額そう」というご指摘もいただいているので、一番安いのを買ってキール兄が夜なべして囲炉裏端で改造してるのかもしれません。汎用品をかっぱらってもやっぱり改造している気がする妹溺愛兄w
 脱獄から山猫号奪取までの間にどのくらいのタイムラグがあるのか少しわかりにくいですが、あれほどの大所帯を伴って潜伏したり養ったりするにはかなりの資金が必要になってくる。となれば武器を手に入れるより先にお金はそちらに使うだろう(かとり様ご指摘)。ところで彼らは真っ当にお金儲けできません。強盗も、ドルン兄はともかくとして他の面々だと難しそうです(酷い)。となれば、一家が脱獄してかなり早い段階でヨシュアと合流した可能性が高いですね。ヨシュアは裏だろうが表だろうが問答無用で暮らせる謎の生活力を持っている人間ですし。結社関係には真っ当に近寄ることが出来ないでしょうけれど、そこを襲ったりしながら戦利品売買(これもかとり様指摘)して一家も潤っていたかもしれません。
 となると、結社無関係の戦術オーブメント調整をする人間がいるんだろうなぁと思います。裏世界がどうなってるのかはよくわかりませんが、結社以外の裏社会もきっとあるんだろう、うん。


  ユウ様ご指摘情報
    ・ロランスが結社製戦術オーブメントを使ってたかもしれない
    ・SC八章、執行者襲撃時には新型を持っていたのか

 ロランス結社製疑惑は実は一瞬考えました。ただ、「新型は軍にまず初めにおろし、しばらく時間が経ってから民間(遊撃士など)におろす」と考えたらば、特に問題はないかなぁと。戦術オーブメントは一つあれば戦局を大きく帰ることができる兵器だと私は位置付けています。こう言うものを作るところは全て国が管轄もしくは国と提携しているところです(闇企業除く)。資金が大量に投入されているかもしれませんし、人材も遠慮なく投入されていることと推測可能。となると、国側にまず一番良いものが流れていくのが普通の流れかと思われます。どれかのお話に、アルセイユの新型エンジン技術がどうのこうのと書いた気がしますが、あれと同じことで、新しい技術をまず軍に使わせてみる、みたいな側面もあるんじゃないか。民間より先に軍に新型が導入されていてもそんなにおかしなことではないかと思います。で、ロランスが結社製だろうが官製だろうがあんまり関係ないかなーと。
 使用されているクォーツも軍内部で開発していて、ラッセル博士とかならそれも多分知ってたんじゃないかと思います。でも3章で新型の話をされても、民間で新型機を調整できる人間がいないようなのでムリっぽいですがw どっかでは新型クォーツの流出事件も起こっていたかもしれません。エステルたちはそれどころじゃなかったでしょうけれど。とにかくどこかで実験、実戦投入はしてみないといけないものです。ならば軍がその役を負うのが当然っぽい気がします。とくにあの国なら。

 で、SC八章でタマネギ一号、何食わぬ顔で戦っていたりします。あのときに新型をもっていたのかどうか。あの時、かつての装備品を全部一旦戻して戦いに出してるような感じでした。得物だけなのかオーブメントも返したのかは判別できないですが、執行者四人相手でアーツなし対応……できるのか? 保険はもたせるだろうきっと、うん。なので新型か旧型かははっきりしませんが持たせたとは考えられる。で、もちろん民間に戻るときには全部没収されているでしょうので、あの時点で新型を持っていても(旧型でも)特に問題はないと思います。

 ツッコミ、ご意見ありがとうございました!

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