〜リベールをとりあえず考察してみようの巻〜

あなたの信じるものはなんじゃらほい。

 思い出したいのに忘れられない、きっと誰も待ってはいなかった。そんなことだけは自信が持てる適当考察、考察というより思考の垂れ流し、ここかと思えばあっちに飛んでく、わけのわからない文章ナンバーワンで今回もお送りいたします。

 七耀教は多分おそらく一神教だと思われます。女神エイドス以外の神が出てきていないというのもあるにはありますが、システム的にキリスト教を参考にしているようなイメージを受けたもんで。教団として結構しっかりと階級がついてるし、各聖堂では必ず同じ神様が祭られている。キリスト教のトップをそのまま女神に入れ替えただけなので現実の女神信仰とは多々異なる点があるのはご愛嬌か。というかそこまであのゲームに求めたら酷だわな。
 多神教の可能性が極めて低いと感じた理由は、どの地方でもエイドスエイドス言ってるってことです。多神教の身近な例をあげるとお寺、仏教。同じ町内に三つくらいお寺があって、そのどれもが別々の仏様を(同じ宗派であっても)奉っているというのはよくある話。神道でも同様ですね(ちと広すぎるけど)。が、リベールにはエイドス以外の超的存在が見受けられません。他の宗教が存在するという示唆はほんの少しだけされていたようですが(ユウ様情報)。
 七耀教をキリスト教から持ってきたということに仮定して、次は教義。結構町の人々の話は聞いているつもりだったのに全く検討がつかないんだな……。煉獄の概念があるのと、「神父」であること、日曜学校で読み聞かせを行ってるって位は確定か。
 「神父」なのでまあおそらくキリスト教でも、正教会でもプロテスタントでもなくカトリックだとは思ってましたが、煉獄まで来たならこれは確定でしょう。その点は当たってますね。煉獄の概念は昔のカトリックが提唱したもので、当然ながら正教会もプロテスタントも認めてない概念です。てーことは近代以前の教義が参考にされてると考えられるんでしょうか。
 他ゲームだと、アトリエシリーズ(主にザールブルグ)。教会関係者を仲間にできるエリー&リリーだとよくその手の話を聞くことができる。ザールブルグ市内で信仰されている主な女神がアルテナさんでこれは医療の神様。ゲーム中結構しっかりと教義も語ってくれたと記憶している。アトリエと軌跡を同列に考えるには、設定魔の有無(大笑)とゲーム方向性が違うということでちょっと難しい部分もあるが、神父が操作キャラにいるんだから、キリスト教の焼き直しでもいいから教義をその口から聞きたかった。ある程度関係者から、ある程度でもいいから教義その他を語らせることで、宗教の現実味(あくまでゲーム内ですが)が増すと思うけど……。ケビンというキャラ自身は別にいいと思うんだが、なんつーか、宗教関係者じゃなくて話を進めるための起爆剤みたいな扱いに感じたのは私だけか。ところでケビン、人妻口説いている場合じゃないぞ。仮にも「神父」を名乗るなら精進潔斎して神に仕えんかいw ケビンの所属する聖杯騎士団はなんとなく十字軍を思い出す。

 印象に残っているイベントの一つに、「アガットが紅蓮塔で大怪我して治療をする」というのがあります。何故印象に残ったかというと、「患者の体力を回復させることで病気もしくは怪我を治癒させる」という東洋医学的な思考が入ってきていたから。しかもそれが、ツァイス教区長からでたというんだから驚きだ。ツァイス教区長は信仰心自体にはあまり執着してないのがこれまた驚き。往々にしてそういう方が人をひきつけたりする場合もあるにはあるが。リベール中でもっとも技術も思想も進んでそうなツァイスだからこそなのかなぁと思わないでもない。人の出入りは国内人国外人含めて一番多いだろうし。ハーケンよりウォルフの方が通行人は多いと思うです。物々しさが違う。SC終盤での一触触発で旅人はハーケンをより避けると思われ。そんなこんなで、七耀教信者以外の人間だってツァイスにはよく入ってくると想像されます。そんな話を聞いたり、苦しいときの神頼みにされたりしてたら、ガッチガチに信者してると苦しい部分もあるんじゃないだろうか。大航海時代、世界各地に片道切符で出かけていくことになった宣教師たちのようなイメージがあるw
 治療に関連してみると、医術(ことに外科)はキリスト教では過去認められておりませんでした。怪我も病気も神様がもたらしたものだから、甘んじて受けよ、が基本。で、リベールに「医者」という人種はいませんでした。煉獄といい医者不在といい、やっぱり中世キリスト教だというのが正しいのかな。薬は発達しているようなので、その意味で東洋医学的なものが多分に入り込んでいるような気がする。ゲーム的にぶっちゃけすぎると「回復アーツ使える奴が医者代わりだコンチクショウ」ってことだとは思うw 病気に対してはどうかしらないけど。と、考え込むと、本気で死にいたる一撃もしくは死にいたる病は、一体全体どういう威力を持っているんだということになる。どんな怪我でもすぐ直るなら怪我で死ぬ人はいないわな。時間の問題かな。すぐにかけないとアーツは威力無し、と。

 あとは、他の宗教の存在。前述のとおり他宗教もあるっぽいような描写はされているようなのであるんでしょう。どんなのかはちと想像しがたい部分がありますが。というかリベール国内であっても、宗教的に隆盛の地域とそうでないところがあると考えられます。山間部であるとか、離島であるとか。そうなると、巡回神父が時々来る程度もしくは神父も訪れない可能性がある。でもって、身近にあるのは山そのものや海。自然、そっちに畏敬の念を抱いたっておかしくないわけで。軌跡はあくまで「街道で結ばれる程度に大きな町や村」しか回ってないのでなんともいえないのが辛い。ただ、外国人が多そうなツァイスや王都、ボースくらいではもっとその存在をアピールしたってよかったんじゃないかなと思う。他宗教の存在を示唆しようが、上手く使えば七耀教の強さをきちんと説明つけられるいい素材だと思うんですが。
 他の宗教が自然発生的八百万の神様な宗教ならまだいいと思うんですが、一神教だった日には血で血を洗う大戦争になりかねないのが怖いところ。西洋史って、国が発達してない段階だと完全に宗教戦争で時代が進んでます。発達してくると国境だの不凍港だのと自国利益が優先されてきますが。違う一神教を信じている人間同士ほど分かり合いにくいものはない。これって神様だけじゃなくて、特定の個人や会社の信者というものも含まれてて面白い。己のしていることに確信は必要だと思うんだが盲信はいらんと思うんだよなぁ。確信しないと自分自身のあり方すら揺らぐから……って閑話休題。
 もし、七耀教以外に一神教があるならば、結社は確実にこれも利用していろんなところに食い込んでるだろうなと思います。同じ宗教ですら、宗派が違えば迫害対象になるという、危険因子内包しまくりな存在ですから。よくある話だけど、結社は各宗教のトップが集まって作った、「宗教向上委員会」の実働部隊とかw 


 もそっとツッコミたい気はしますが今回はまあこんなところで思考ストップ。思考の手助けをしてくださったのはユウ様、ありがとうございます。ツッコミや意見大歓迎。
2008.8.29

9/1追記
ヒロ様ご指摘情報
・ツァイスには医務室あり
・単独商売はないのかもしれないが、科学の一環で研究中、その副産物がギルバート肉体改造や教授・ケビンの教会内医療。
・教授が塩にされたのはソドム&ゴモラだろうか

 ツァイス医務室に関しては完全に失念していました。大変失礼しました。アルセイユ内にも医務官はいないものの医務室はありますね。ご指摘ありがとうございます。ミリアム先生が保健室の先生レベルなのか、実は複雑な外科手術も可能なBJ並な技術の持ち主なのかは描かれてませんでしたが、なんとなく保健室の先生っぽい気はしますw
 上の思考垂れ流しでもちょっとだけ触れてますが、多分ドラッグ系は民間まで技術が降りてきている位には発達しているんじゃないかなーと想像していました。体力回復のお薬系が揃っているのでw どこかから薬草を採ってきてそれを病気や怪我のときに使用は普通にしているんだろうなぁと思います。ギルバートの肉体改造はまあ(あの世界では)オーバーテクノロジーを使っていそうな感じはひしひしと。まじめ逆恨みキャラが見事なギャグキャラに肉体改造されました。
 中世のカトリックは外科的処方を排除する方向で動いていました。七耀教全盛のリベールがこれに合うんです。骨接ぎの人すらいなかったですし。病気も怪我も神から賜ったもの、それを人間が治すなどとはなんとおこがましいことか。……という思想だったので、外科処方は表面上行われていなかったようです。史料に出てないだけで水面下では知りませんが。薬草調合や医食同源の漢方的思考も少し入っているような感じもしますが、怪しげな偽薬も路地裏の貧民街とかではやりとりされているのかもしれないですね。
 ソドムとゴモラからとっているんだと、私もなんとなく思います。塩の柱と縁深い死海のほとりの滅ぼされた町。ありとあらゆる悪徳がはびこり、唯一神が天罰を喰らわせた町というのも、ケビンが悪徳の元な教授を滅したに重なりますねー。あと、アルテリア法国を教皇領、バチカン市国と捉えると結構しっくり来ます。

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