〜リベール軍をとりあえず考察してみようの巻〜

4.そこの艀! 空母は貴重(以下略)
 さてダラダラ絞殺(違)も四回目、リベール軍の母体は何か。地形を考えてみてください。国土のど真ん中にでっかい湖。国土自体も一方は海に面しています。それを思うと、どう考えても水軍が母体であることしか思いつかなかったんですね。
 航空は論外。リベルアークから降りてきて、最初はきっと国家の形態はとってなかったでしょう。アウスレーゼさんトコが中心になって、湖の辺の小さな集落程度だったと思います。現在のグランセルの位置に作られたのは当然として、そこから離散していったかな。そういやアーネンベルクはグランセルを守るものじゃなくて、グランセルから他を守るためのものとして作られた壁だったと思います。そこを守るためにアウスレーゼさんちは地縛霊の如くそこに居なければならない義務を負い、その対価としての長の位置でしょうなぁ。結局墓守じゃないか。女神の至宝という過去の遺物か手におえないオーパーツを見張る永遠の墓守。王家の位置はなんなんだろうと考えてましたがそれか。すっごいすっきりした。SC時点でその役割からは解放されたので、もしかしたらその後リベールの国政が変わるのかもしれないです。別に長であるのがアウスレーゼさんじゃなくてもいいわけですし。
 ……なんか壮大に話がずれた。なんでずれるんだ、水軍話に戻す。

 海軍と呼び習わすのが耳になじんでいていいかもしれませんが、リベールは湖の国なので、海も合わせて水軍としておきます。ゲーム中にこれについての言及皆無でした。
 グランセルから離散する際、多分現在のボースやルーアン地方に行くには船が一番手っ取り早いはず。あ、技術水準としては簡易の船くらいは作れるかと。リベルアークでどれほどの技術を喪わずに持っていたかは不明ですが、降りてきて自力で暮らせるだけの力は持っていたでしょう。食糧確保には魚釣りが良さそうですし。
 また、各所が隆盛してくると往来も多くなるわけですが、やはりぐるりと湖を周回するよりも湖を渡った方が早い。ヴァレリアは交通の多い湖だったことが推測できます。何より船は大量輸送が可能。陸路で人力を用いて引っ張りつづけるより、水に浮かべて浮力の助けを借りて漕ぎ出す方が楽。まあそんなこんなで水上交通が非常に発達してた国じゃないか。となると、最も重要なところから軍というか、警備が発達していくわけです。それが転じて軍になり、もっとも基礎中の基礎になった説を推したい。
 陸軍母体の可能性がないわけではないと思いますが、どうもそっちに関しては隣国と国境争いするようになってからちゃんと整備されてきた気が。

 偶々ヨシュエスが陸路を使って王国を巡っただけであって、水上からの地方超えだってやってると思います。特にルーアンでは。出てこなかっただけで各地方、湖からの船着場があってもおかしくない。湖上警邏だってしてないといけないし。
 かの国では陸軍管轄以外のことは全て航空艦隊が賄っているように描かれています(というか私にはそう見えました)。ただ、アルセイユの艦橋で操舵輪が使われている以上、全ての航空機は水上の船を元にしているはず。水軍管轄が航空艦隊に移管された可能性はありますが、そのまま水軍がなくなってしまうことはありえません。
 またリベール製航空機にはまだ弱点があります。項目2の領空話あたりで一緒に書いてますが、どうも飛行艇はそんなに人をたくさんは乗せられない模様。まだまだその技術に限界があるということです。水上船が一隻も出てきていないのでなんともいえないのですが、普通に考えたら航空機作りよりも船作りのレベルが上でしょう。歴史が違う。要は、輸送の面では船の方が上と考えるのが妥当、と思います。各詰所や国境へ武器を輸送するとか兵団輸送とかは水軍管轄のままじゃないでしょうか。実は絵日記でグダグダ考察していたときには飛行艇の輸送能力が測りきれなかったので、大規模輸送可能な飛行艇があるんじゃないかと思っていました。ちゃんとまじめに考察してみるもんだなぁ。なんとなく自分の中で決着がついてきた。
 もう一つはそれほど水上関係に飛行艇を割けないかと。最も多いと思われるところは多分ハーケン。次点がレイストンとグランセル。大体 60艇 30艇ほどだったと思うので、各港で水上船の代わりに管理監督はちょっと難しそう。
 あとコストとかも考えると、最も水上輸送が安いのが常です。オーブメントがいくら発達しているとは言え、資源は有限でしょうのでコスト削減も視野に入れながらやっていると思われます。山猫さんとこが生きていけるのはきっと速度重視の「Door to Door式」だからか。

 作中ではグランセルとルーアンに港がありました。民間使用の様子しか見えてませんでしたが、軍設備があってしかるべきところかと。グランセルにはないとしてもルーアンにはないとおかしい。海港ですから、海に向かっての警備網は全部そこで管轄してるのが考えやすいです。ついでに言えば建造工場が絶対あるはず。そうしないとラングラントより幅が広い船が存在しないことになります。湖ならいざ知らず、海洋を航海するのにそれではちょっと心もとない。
 ヴァレリアは深い湖なので、湖という制約がなければ大型船舶が航行できるんでしょうね。ラングラントを通らない前提だったらいけるわけですので、前述の兵器輸送等はそういう大型船でやっているのかもしれません。おそらく兵器自体は主に中央工房かレイストンに工廠があると思うのでそこで作成、各所に輸送。輸送面考えるとレイストンにある方がいいですね、あの基地は湖の上ですし。すぐ輸送できる。兵器輸送だけは民間船を使うとは考えられない……。
 輸送話になっていますが、要するにルーアンは海上保安全般をつかさどる支所がある。湖上警備の方はレイストンかグランセルに支所がある。そんな感じで。ルーアンなんかは他国と貿易してるみたいだからやっぱりその管理監督は、同じ水上船が必要でしょう。

 何ゆえ水軍が出てこなかったかは、まぁストーリー的に全く海が無関係だったからだと。流石にいくら『空の軌跡』とは言え、全くもってその片鱗すら見えなかったのが非常に気持ち悪いのですが。いずれ航空母艦を保持して飛行艇を艦載機として使用するときが来るのかもしれません。でもあの国土面積で空母まで必要だろうか。ちゅーか専守防衛ですか? 拡張政策をとっているわけでもないし、分裂の危機に瀕しているわけでもないし。基本お気楽軍隊なのでうって出ることをしないだけでしょうか。小国は小国なりの生き方を、とかなんとか。

 今回書くに当たって、象牙の塔の友人、AKI様のご意見を参考にしております。情報ありがとうございました!

2007.11.1

2007.11.4追記
ろぶ様ご指摘情報
・12隻で全艦の5分の2

 いやはや、綺麗サッパリ気持ちよく、朝、朝日と共にすっきり目覚めるが如くに忘れてました(何の例えだ)。あれですね、ちゃんと自分で確認しろってんだ。大変に失礼いたしました。

九重様ご指摘情報
・飛行艇で関所を抑えた後、船で各地を攻めた
・戦没時には海軍があったっぽい、それを一部残して空軍へ回した?
・ルーアンで廃船を使って、帝国を防ぐ
・海上保安部(海猿)が居たけど、他国海域だから王太子夫妻助けられなかった?

 戦役時にきちんと飛行艇が飛行艇として軍登用されている感じですので(もちろんその前にもあったでしょう)、それまでは確実に水軍が存在していたはず。戦役が航空機投入で成果が出た初めての戦闘であり、ご指摘の通り、そこから水より空への転換が始まったかと思います。水上戦が可能性として存在するのは領海侵犯や違法貿易の現場を抑えたときくらいでしょう。国内で犯罪が起きた時には……もちろん水上警備隊も各地方保持したままだとは考えられます。
 よくよく考えてみたら基本的に個人所有というか、地方では警備の為の飛行艇持っていない感じですね。もってるとしたらどこに駐機場があるんだ? 軍施設は絶対使わせてくれないし、使わせてくれるんだったらリベール軍の管理に関して将軍を三日ぐらい説教したい。作中はほぼ全部軍属か王属。定期船はまた違うでしょうし。徴発権限、各地方領主がもってるんだろうか。でもスピードがない。そういう犯罪に対して軍がどこまで飛行艇を飛ばしてくれるかがネックで、水上艇はやっぱり欠かせないかな。おまわりさんみたいな役も担ってますが、やっぱり軍は軍で、自国の守りが薄くなるにもかかわらず国内の犯罪に重心置いてたらちょっと嫌。地方は、自分の身は自分で守る、みたいな。
 ルーアンで廃船を、ということはラングラントの下にはでかいゴミがあって、完全に大型船は航行不可能になってしまった→海と湖を繋ぐ方法がなくなったってことですね。それで観光に力を入れ始めたのでは、というのが九重様のご指摘でした。確かに内海で作られたものが海上輸送しにくいという事態ですね。一体何を使って貿易をしていたのかが問題になりそうです。現時点では確かオーブメント産業が最大の輸出品目? これに切り替わった理由もその辺と関連あるのかもしれません。

 戦役時に内海と海の交通網が分断
   ↓
 内海からの輸送が困難、貿易品目・手段の変更
   ↓
 貿易港としてのルーアンが廃れ始める、観光地としての生き残り作戦

 こんな流れができたw 正しい正しくないかは別にして、戦争は大きく時代が変わる転換点だったということは確かなようです。
 経済話で続くと、ボースが奥まっているのに商業都市であることに対し九重様が疑問をお持ちのようでした。これは多分、扱う品目が帝国からの舶来品だからだと思います。中世、フランクフルトはヨーロッパ大陸の内陸にあるにもかかわらず、商業が栄えておりました。定期的に市が立ち、それに出店する人や買い物をしにくる人でごった返し。多分ボースもそのイメージじゃないかなぁと。国境なんて認識じゃなくて、独立自治都市であって、その街とその街の外で境ができる。だから、今では帝国人と呼ばれる人間たちが気軽に出店したりしてきたんじゃないですかね。で、国として確立した後でもその市だけはあり方が変わらず、ボースマーケットとして現在まで続いている……そんな風に思います。
 各地方の生計の立て方としては、ロレントは自給自足、ボースは対帝国貿易兼メッセの存在、果物。ルーアンは海上貿易と漁業。ツァイスは対共和国と技術供与。グランセルは他からの供給がないとやっていけない街。あそこは地方がそのまま街だから余計に。歴史的観点からいけば都市なんて形態になるのは、他に産業がないから人が寄り集まるしかないわけです。他の地方がないと何ら自給自足できない。でも多分一番人口が多いはず。あの狭いアーネンベルクの中でその人口全ての食糧を賄えというのは無理だ。通常なら郊外に畑があるのにその郊外がないところですね。
 各地方は元々独立自治都市としての要素も持ちつつ、リベールという一個の国になっているだけなのかもしれません。ぶっちゃけるとグランセルがなくなってもあの国、各地方はたいした打撃を受けずに生き残ると思う。王という存在がいなくなっても、地方中心都市の市長がいるし。シスマだ(違)w ああ、だんだんワケわからんことになってきた。というかこの項目の最初に書いた墓守お役ご免話に繋がりそうなのでやめよう。別項目だそれは。

 海上保安部隊。あの国のことだから軍の一環で存在しているんだと思います。それだけに他国領域への侵犯にはすごく気を使っている気が。海の話が全く出てきていないので、そういう海難事故系ではどこまで他の国と協定ができているのが計れません。なんにもなければ、「事故領域に最も近いところを航行している船が助ける」が基本理念でしょう。官民問わず。ただまあ……政治的思惑も非常に関わってきそうですね。とくに他国で事故が起きた場合。人道的に悖ることもやらざるを得ない時があります。政治と人道を同格に並べたら国が立ち行かない。

AKI様ご指摘情報
・航空部隊に予算を取られて水軍縮小
・潜伏時カノーネ台詞「水中には機雷源」

 前者は確かに。ルーアンの予算だけは確保絶対していると思いますが湖上は飛行艇の巡視だけで済ませられるのかもしれません。ヴァレリアは島がない湖だそうですんで。湖で巨大艦船を維持できるだけの予算がないから小型艇ばっかり出てきたんでしょうかw
 カノーネさんの台詞はレイストン要塞に対して言われた台詞です。ってーことは、水上移動用の船は確実に保持しているということ。武術大会の時、山猫三人集が船で護送されてきたという情報も頂いております。ただそれってどうよw あの時点でタマネギ一号も収容されていたはずで、何がしかの理由で基地を放棄しなければならない場合、選択肢の一つとして水路も考えられるわけで。周り見えてませんねぇw

2007.11.14追記
ヒロ様ご指摘事項
 ・廃船がサルベージされずに残っているとは考えにくい
 ・レイストンは水軍基地が前身だろう、機雷もあってしかるべき
 ・水軍の活動を情報部が統制していた

 いつもご指摘ありがとうございます。確かに、海港がサルベージせずに残したままというのはありえないかもしれないですね。ただ、きっかけの一つにはなったかなぁとは思います。戦役直後に引き上げが行われたかどうかは判らないわけで、特定の期間は港がつかえない状態ですごした可能性があります。その間に、海底地殻変動で港がつかえなくなったりの、人の手ではどうしようもない事態を想定したとかw 極端な話ではあります。
 レイストンは水上基地ですしねー、明らかに元々は水軍用の基地だったかと思われます。で、当初から水上からの敵襲を警戒して水路にも配置したと。ここで考えてみました。カノーネさんが新しく自前で機雷を仕掛けたのかもしれませんが、元から設置してあるはずの機雷は多分、自軍の船が航行する時は反応しないような機構が付いているのかもしれないと。それなら安心だ(え)。それともカノーネさん……やっぱり自前か? わざわざ言うってことはそうなのか?
 情報部が統制していたというのは、タマネギ一号は神パパの下で航空部隊の威力を間近に見ているからこそ、そちらを抑えて航空に力を入れたというご指摘でした。確かにありうる。情報部の力が軍上層にまで及んでいたのは確かで、そんな風に裏工作してた可能性あります。タマネギ一号は国がより強くあればいいという思考ですし。

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