〜リベール軍をとりあえず考察してみようの巻〜


 やっていると現実に則さない部分というのが出てくるのがフィクションの二次創作化です。そんなところをムリヤリ捏造して自分的に納得いくようにしてみようという話ですw 何ゆえ軍部か? 遊撃士とかだと結構ちゃんと裁量権とか階級とかきちんと見えてきてたけれど、軍はあんまり見えなかったもので……。あと、自分が軍人視点のお話書いてるもので、余計に目に付いた感じです。


リベール軍編成図(参考はコレクションブック)

 なんかこういろいろ変なものが書き足されてますが、これが公式的見解、でいいのかな? ただ私は非常に気に食わないのが一箇所あります。「正規軍」の位置。
 辞書的に言えば「国家によって制度化され編制された正式の軍隊」。上の図に則るとユリアさんやカノーネさん、リシャールさんが非合法部隊になってしまいます。傭兵か? ってことなので個人的に書き換えてみたのが下。


リベール軍編成図(捏造編)

 ああすっきり。もっとも正直に言うとこれもちょっと難ありかと。国境師団と王都警備隊を同格に扱ってるように見える。親衛隊は別格ですね、女王直属なわけだし。
 現実であれば一般兵に当たるところに正規軍なんて使われてたから気持ちが悪かったのです。リベールでは一般兵のことを正規軍と呼ぶのかもしれませんが、どこにもその詳細設定がなかった上、言葉の本来の意味と字面と筆者の我侭の為に正規軍とは使わずに一般兵と呼ばせていただきます。以上釈明終わり。

 そんでもって、編成図をながめてて気がついたこととしては。

  1.モルガンさんの階級
  2.領空の概念
  3.情報部発生
  4.水軍の存在
  5.親衛隊
  Extra1.士官学校
  Extra2.リベール産業と人口関係

 ってなあたり。まあ順番に行きましょうか。

1.将軍将軍、階級なあに?
 いきなり壊れたタイトルですが、「将軍」は階級ではなくて称号になります。「大将」、「中将」、「少将」、「准将」の、将官の総称でもありまして、実はカシウスパパも「将軍」にあたります。劇中の様子を見ているとどうも「征夷大将軍」の意味で「将軍」と使ってる感じがしますが。あとは慣習かな、劇中で見えるのは。
 さて、モルガンさんが率いてる国境師団。便宜的に不等式で表すと下。

   軍>軍団>師団>旅団>連隊>大隊>中隊>小隊>分隊>班

 より大きな戦術単位と考えてください。例えば軍団が幾つか集まって軍になる、という意味。上から三番目で、師団長は基本的に少将がなります。ただ、モルガンさんが少将な気がしないという酷く感情的な理由によりこの件は却下。何故少将、ヤツは大将の風格だ! ……感情はともかくとして、先に「征夷大将軍」的意味が強い印象、と書いてます。加えて、モルガンさんが少将であるなら、中将、大将が必ず出てきてないとおかしい。国家を揺るがすような大事件の時にどこにいるのよ、ということになるかと。劇中の描かれ方もモルガンさんが軍最高トップみたいな感じがしたので、彼は「大将」であると推して置きます。飛行艦隊と合同作戦時にもトップだったし、アルセイユという全然別系統の所属、しかも女王しか基本的に動かせない艦船も借り出せるだけの力はある。だってそうしないとゼクスさんより階級が下になるw ゼクスさんよりは風格あるでしょ、年齢も態度も(何)。

 となると、トップ中のトップが辺境にいるわけです。この辺はまあすぐ予想つきますね。
 二ヶ所ある国境のうち帝国側にいるというのが最たる理由かと。大将になれるというのは一握りで、多分モルガンさんは権謀術数張り巡らせて登って行ったわけじゃない。キャラ性格的に。その辺の予測を引っこ抜くと、まあ普通に実戦経験豊富な老兵です。3rdでも強かったしね。長柄使いだし(無関係)。加えてちゃんと人を使う術を心得て、組織というものを理解しているかと。カシウスパパが「准将」なのはその辺もあるかもしれない。将官、数は少ないけど他にいないわけじゃない。気分的にはモルガンさん、パパを最高位にしたかったと思います。けど10年軍を辞めていた人間が舞い戻って中将なり大将なりになるわけにはいかんだろうよ。とは言え、それなりの権限を与えないと軍に戻ってきてもらった意味がない。そのせめぎあいの答えが「准将」だと思います。この階級、私的には非常に納得いたしました。
 なんか言いたいことが綺麗にずれた気がします。要するに、師団長は師団長で、少将が別にいる。その上に、モルガンさんがいる。軍中最も経験豊富な人間で、予測不可のことに対してもそれなりに対応できそうである点と、帝国に睨みを利かせている意味もあるんじゃないでしょうか。モルガンさん自身はかたくな頑固じいさんを地で行ってますけど、こと軍務に関しては結構臨機応変な気がします。大艦巨砲主義に取り付かれてるとか、軍隊こそ全てとか、そういうことはない。嫌々だとしても遊撃士と協力するし。何がリベールという国にとって一番大事かをちゃんと判ってる。

 んで、FC時点に限定して考えると、国境に一個師団があって、歴戦の将軍がそこに駐在しているという状態は、帝国に対してどう映ったか。
 多少、過剰防衛気味に映ってはないだろうかというのが心配でした。上の不等式から行くと、師団はかなり人数が多くなります。リベールという国の総人口がいくらで、内軍人人口が何人かちょっと予測がつかないのですが、師団が動くとなると相当な人間が動きます。とっくに10年なのか、まだ10年なのか。帝国軍上層がどちらの認識でいるのかがポイントになりそう。民間レベルではわだかまりも融けてきている感じは受けました。もちろんリベール側の認識は「まだ10年」なのが見えますが。
 帝国側が「とっくに10年」の認識でいた場合、国境の防衛に多少なりとも過剰さを感じていたんじゃないでしょうかねー。逆側のヴォルフにはそんなに過剰な人員はいなかったようですし、物々しくなかったw ツァイス側にはレイストンがあるけど、距離はそれなりにあるし。国内最大の基地があるが国境からは離れているカルバード側と、作戦遂行が可能な能力を保持してる師団が国境に配備されている帝国側とでは、それぞれの国の印象が違うと思う。
 とまあこれはSC終盤直前まで。残念ながら、帝国側師団が国境ギリギリまで来たという事実ができてしまった。リベールの、小国という枷の為、それ以上の人員配置は無理なはず。やろうとするなら徴兵制にならないと人員確保ができないし。それに、徴兵したって国を守る意欲はそんなに湧かないだろうし訓練不足の兵が増えるだけな気がする。

 それにしてもあのハーケン門あたり、SC終盤のイベントを見るとかなり緩衝地帯っぽい。もちろん有事だったからというのもあるでしょうか……。両国のトップは出現するわ軍艦はいきなり他国領土に乱入するわ准将それに乗ってるわw ……リベール側の方が帝国側に侵入していってますね。まあこれはある程度しかたないかなーと。攻め込まれそうだから必死で押し返そうとしていて、それは大成功してます。
 直後場面展開でアルセイユが空に舞っているシーンに入ります。自分の最燃えシーンに入るわけですが、そこでも結構突込みどころはありました。
 ・帝国コンビ密入国疑惑
 ・アルセイユはリベール最高機密です
 の、二点。密入国疑惑は普通に突っ込みました。あの緊迫したシーンできっちり手続き踏んで入国してたらそれはそれで素晴らしいw この点に関しては、2007年1月インテで出した自分の同人誌で補完。つまり、
『アルセイユは国際運用可能であり、伴って艦長が出入国権限も保持している』
ということで。すでにその時点で『Patriots』は書いてますが、初めの方に、帝国で療養していたユリアさんを実はアルセイユが迎えに来た、ということにしてあります。国際線運用可能じゃないと無理無理。あれはあれで民間空港で発着してるというのがアレですが、軍用空港だとまたなんか妙なことになりそうだったので。他国軍艦徴発とか。まあ、つまりはその時点から国際線運用の思考はあった模様。
 国家権力を保持するクローゼがあの場にいますが、クローゼは出入国権限は持ってるのかな。持っていたら、国家元首の好き放題にいろんな人を行き来させてしまう可能性がある。クローゼや女王を見ているとそういうことはなさそうですが、初期の公爵みたいなのもいるわけですので。そんなこんなでその辺は権力分散考えてると思われ。他にユリアさんより上の階級として、パパとかモルガンさんとかいますが、モルガンさんのところに行くまでにアルセイユで立った感じなのでやっぱりユリアさんが承認したんじゃないかな。パパには権限付与なさそう。パパもクローゼも、通行に関する直接運用はしてないみたいだし。
 もとより艦長は艦内の全ての裁量を任されてるので、艦内にいる限りは譲歩できます。リベル=アークにいる時点で艦内からでているけれど、他に脱出する方法がないからあえて拡張適用していたと考えるべきかと。困るのは陸に下りたときですね。ゲーム終了直後くらいから、あんなズタボロのアルセイユでハーケンまで飛んで、それからどこかの基地か空港にもどれたとちょっと考えられない。だもんでウチでは王都前広場に何とか下りてきたと。
 3rdオリビエ扉を見ていると、アルセイユで帝国まで戻っているわけです。公式的にも国際線運用許可艦船ということですか? 見たとき噴いたw

 で、突っ込みどころその2、アルセイユは最高機密である。これは少佐の問題。何故砲術士の席に座って、しかも使っているのということ。確かパパが乱入してきた時、リベール技術をごろうじろ的台詞を言ってたはずですが、まさかそこまで技術を体験してるとは思わなかったんじゃないでしょうか。
 公式でアルセイユには砲術士がいません。あとからよくよく考えると少佐がアルセイユに乗る理由付けの一つじゃないかと思い至りました。彼のまず第一はオリビエの護衛。とは言えども、周り全員気心の知れてる凄腕ばっかりだから、護衛だけでは搭乗する理由が薄い感じ。もちろん、気心が知れてる人間だけじゃないから、オリビエは護衛が存在する人物であるという喧伝してるでしょう。箔をつけるみたいな感じで。
 さて、砲術士として働くかどうかを、ユリアさんが頼んだのか少佐が申し出たのか。これは私はお話で答えが出ています。少佐の申し出があったんだと。最高機密であるアルセイユの、しかも艦橋! 見学できるだけでも大変なことなのに。パパは技術を見せるとは言いましたが、実際に砲座につかせるのはこれまた別問題。真っ当に考えれば、他国の軍事関係者、しかもその構造に多少なりとも造詣のある人間に頼めるはずがない。例え戦力がなくなろうとも。例えあの場で電撃的一目ぼれをユリアさんがしたとしても(謎)。
 何もせずにただ乗るだけというのは少佐にとって苦痛だったかもしれないですね。あっちもバリバリの軍人、事態が有事であることは嫌というほど認識してる。だから少佐から。もちろん守秘義務の宣誓書にはサイン後でしてそう。信頼に足る人物云々じゃなくて、そういう以前の規律の問題。多分帝国の技術も上がってくるだろうから、その守秘義務には期限がついてると思われます。
 さっきの密入国問題はユリアさんの艦長権限でクリアできるラインですが、こっちはちょっとそうはいかないか。女王の承認まで行ったと思います。下手をしたら艦長権限剥奪かもしれない。軍事機密だし……ラッセル博士のあのわからない機械を一日二日で理解できるとは思えないけど、これも規律の問題。そういう規律を守ってこその軍隊かな。
 毎度の3rdオリビエ扉ですが、女王の精査が終わるのと、アルセイユの修理が目処がつくのが一月程度で、それを待たないと帰国できなかったと踏んでみたけどいかがでしょ?

 突っ込み事項、ダメ出し等ありましたらどうぞー。何せ妄想の赴くままですのでw その度に追記という形で訂正していきます。

2007.10.20

10.20 更新後追記
ユウ様ご提供情報
・将軍の清廉潔白な表現はリベール通信特別号に記述あり。
・帝国側の戦役に対する考え方に関し、少なくとも少佐はおそらく「まだ10年」の認識。
  FC闘技大会終了、宮廷晩餐会に出ようとするオリビエを止めるくだり「ただでさえ微妙な時期なのだ」。

 ご指摘、ご提供ありがとうございました!

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