月が翳れば

月が明るい
風を感じて、私は光を浴びる
瞳を閉じても輝きは変わらない

わかっている
わかっているからもう少し
わかっているから…
私はここにいる

解き放った髪は風に遊び
十六夜の月はただ静かに光を落とす
さあ、祈ろうか
どうか願いを…

片隅に残る恐怖と
ほんの僅かな罪悪感
どうか、風に溶けて…

優しい香りが想いになって
震える頬を通り過ぎる
守りの風が形になって
戦慄く唇を撫でていく

月は明るい
まだ輝いているのかな
そうだね、まだ明るい
でも、少し昏い…

わかっている
わかっているからもう少し…
わかっている
まだ、月は翳っていない
もう少し

……もう、少し……

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