「昼から飲むのも誕生日に免じて許されるだろう。酒は仲間と楽しく飲むもんだ」

 アガットとティータが辞したテーブルで一人、今後どうしようかと考えていると後ろに大きな気配が現れた。振り向けば熊と見紛う大男。けれどオリビエは恐れない。
「何でも頼め。俺のおごりだ。その代わりとことんまで付き合ってもらうぞ」
 すでに何杯かをたしなんでいたと見えるジンの顔は赤い。どうしようかと思ったが、せっかくなのでおごってもらうことにした。
「あ……じゃあこれを……」
「辛気臭いことをいいなさんな。もっといい、美味いヤツいけばいい」
「……いいのかい?」
「武闘家に二言はない! 誕生日に遠慮なんてするヤツがあるか」
「……ありがとう!」
 そして、酒場には心から楽しいと知らぬ人に思わせるほど、幸せな笑い声が響くのだった。



   *   *   *   *   *   *   *

 どうにもジンさんとだと酒飲み友達というイメージが強い。最後まで構図に難儀しましたが、個人的にどちらの表情も気に入ってます。ただのオリビエとして酒を飲める数少ない仲間じゃないかな。心の底から楽しんでる雰囲気が伝われば私的に大成功。

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