<エレメンツ  ELEMENTS>

elementum(羅)
1.元素、要素。2.基礎、初歩。3.字母、アルファベット。4.支点。(研究社羅和辞典より抜粋)

 テラン語で言えばこういう感じ。ただ、普通エレメンツ、エレメントと来ると、四大元素を思い浮かべる方が多いのではないだろうか。

 四大元素とは、火、水、土、空気がそれぞれ影響しあって世界を作っている、という古代ギリシア哲学の思想の一つ。ことに、後に火のみ単独で世界構成にとって重要であると言う説も現れた。これに乾、湿、熱、冷の四特性を加え、錬金術に用いるようになった。錬金術ともっとも縁が深い考えである。
 ちなみに、第五の元素としてエーテルがあげられる。

 ここから劇中のエレメンツは四人であり、それぞれ上記の属性をもっているのだろうと考えられる。先代エレメンツについては省く。

 さてケルビナ、トロネ、セラフィータ、ドミニアの名前について。これは天使の9階級をあらわす名前で、

  1.seraph(seraphim)
  2.cherub(cherubim)
  3.throne(s)
  4.dominion(s)
  5.virtue(s)
  6.power(s)
  7.principalitie(s)
  8.archangel(s)
  9.angel(s)

 となり(カッコ内は複数形)、

  1.セラフ(熾天使)
  2.ケルブ(智天使)
  3.トロウン(座天使)
  4.ドミニオン(主天使)
  5.バーチュ(力天使)
  6.パワー(能天使)
  7.プリンシパリティ(権天使)
  8.アークエンジェル(大天使)
  9.エンジェル(天使)
 

 という読みになる(英語読み)。上から四階級の階級名が彼女たちの名となったのは、火を見るより明らかだろう。

 恐らく関係ないであろうが、セラフィータ(あるいはセラフィタ)という名前はバルザックの小説に現れている。両性具有の話で、女のときはセラフィータ、男のときはセラフィトゥスとしてそれぞれ異性から愛される…らしい。まあ、セラフは愛の精霊とも称されるが。

 八階級目のアークエンジェルに有名なミカエルなどが属しているわけだが、実はあれだけ聖書において活躍している天使であるのにこのランクに位置する。
 ところでこの階級、最初からあったものではない。時代が下るにつれて階級差ができ、現在の形にしたのは教皇グレゴリウス一世である。

 セラフ、ケルブはヘブライ語がもともとの出典。あとの七階級はギリシア語から。それが後にテラン語化され、英語その他テラン語語源の語学に派生していったと思われる。

 

 CF ギリシア語読み

  3.トローネス
  4.キュリオーテス
  5.デュミナス
  6.エクススシアイ
  7.アルカイ
  8.アルカンジェローイ
  9.アンゲローイ

 

出典:すいません、奥付コピーし忘れました(爆)

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